「国家や政治の課題を、神学的に研究すること」は、世にある教会にとって重要なテーマであり、今日の日本の教会にとっても、避けて通ることのできない課題となっています。 この意識を共有する有志を中心とし、今まで積み上げられてきた学びの財産を継承しつつ、「教会と政治」フォーラムを立ち上げることといたしました。
=活動目的=
・日本における国家や政治と教会の関わりを、聖書と神学の視点から
研究します。
・現在の日本の状況を踏まえ、教会がこの時代に担うべき神学的課題
として整理します。
・整理された神学的課題を広く一般に提供します。
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2018年3月19日月曜日
「リチャード・ボウカム『聖書と政治 社会で福音をどう読むか』を読む。」 第6回例会を行いました
第6回例会は、2月23日(金)、OCC会議室を会場に行いました。
発題は、岡山英雄牧師(日本福音キリスト教会連合東松山教会)。
「リチャード・ボウカム『聖書と政治 社会で福音をどう読むか』を読む。」と題して、聖書学者R.ボウカム先生の著書を、翻訳者の岡山先生が、本書をテキストに、聖書の読み方、聖書がつたえるメッセージについて、明快に参加者をみちびきました。
まず、聖書は誰に向けて、何の目的で書かれたものであるかということを考えました。それはローマ帝国が、絶対的な政治的忠誠を要求し、ローマ皇帝とローマの伝統的な神々への礼拝を強要していた1世紀後半における政治的状況の下で書かれたものです。
そして、旧新約の関係と読み方についての根本的な要点を確認しました。旧約を新約の成就に照らして読むこと、、新約を旧約の背景によって読むことです。
聖書の物語は、多くの種類の資料を含み、多くの異なった所に置かれていますが、全体的な特徴がそれらすべてを束ね、物語の全体の意味を問うとき、物語に描かれた、さまざまな具体的な状況において、神の目的が指し示している方向に気づかせてくれます。
全体が統一した物語である聖書が、経済的に大きな関心を持っているのは、やもめ、孤児、在留異国人、障碍を持つ物乞いや日雇い労働者など、最も貧しい人々です。なぜなら神のすべての人々への愛は、最も貧しい人々への特別な配慮を要求するからです。世界のグローバル化のもとで、キリスト者の第一の尺度は、グローバル化が世界の最も貧しい人々に対してもたらすのは、恩恵か、さらなる不利益かという点です。ある経済的システムが、たとえほとんどの人々をより裕福にするとしても、多くの非常に貧しい人々の生活を真剣に改善していないなら、それに満足することはできません。
聖書の物語は、多くの種類の資料を含み、多くの異なった所に置かれていますが、全体的な特徴がそれらすべてを束ね、物語の全体の意味を問うとき、物語に描かれた、さまざまな具体的な状況において、神の目的が指し示している方向に気づかせてくれます。

キリスト者は、そのような偶像礼拝に対抗して、神の祝福のグローバル化に属すものとして注意しなければなりません。神のすべての人への愛と、神の最も不運な人々への特別な関心が優先されます。
聖書の今日にとっての意味は、一連の解釈学的原則を正しく使用すれば、自動的に結果を得られるわけではありません。それは解釈者の洞察、想像力、批判的判断、現代世界の専門的な知識を必要としますし、聖霊の導きを必要とするものです。
最後に、「初代キリスト教は静寂主義であり、政治に無関心な運動であると想像する人々は、黙示録を学ぶべきである。そして初代教会はローマの支配に対して、皇帝礼拝を除いては批判するものはなかったと考える人々も、この書を学ぶべき」と結ばれました。
(文責:事務局)
次回第7回例会は、4月13日(金)午後6時30分からOCC411会議室にておこないます。
テーマは、 「伊勢神宮を利用する政治」(仮題)。発題は星出卓也牧師の予定です。
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